セーター の洗濯からアイロンがけ、保管の方法を徹底解説!

セーターを着る時は、たいていインナーを着ます。直接肌に触れることが少ないので、複数枚をローテーションで着まわしていれば、ひどく汚れることはないと思っていませんか。

特にセーターは頻繁に洗うと毛玉ができるし、ふんわり感が損なわれると思われていて、シーズン終わりに洗濯するだけという場合が多いですが意外と汚れています。

セーターの正しい洗濯の仕方や保管方法を確認しておけば、長い間ベストの状態で着続けることができます。

セーターを洗濯する前に確認したいこと

防寒着としてのセーターは、ウール、カシミアなどの保温性の高い素材でできていて、ふんわりとした風合いが特徴です。また暑い季節用のサマーセーターは、綿や麻などの通気性の良い素材でできています。

それぞれの風合いを維持したまま汚れを落とすには、洗濯する前に素材の確認は欠かせません。素材の特徴を無視して自己判断で洗濯をすると、汚れが十分に落ちないばかりか、生地を傷めたりセーターの持つ風合いが損なわれてしまいます。

クリーニング店に依頼すれば手間はかかりませんが、持っていく時間や費用が必要です。セーターについているタグの記載通りに実行すれば自宅でも洗えるんですよ。

洗濯表示の確認は必須

小さなタグにはサイズやメーカー以外にたくさんの情報が詰まっています。素材、洗濯機か手洗いかドライオンリーか、洗濯する時の水温、洗剤の種類、アイロンの温度などがマークで示されています。

表記されているマークに×がついていれば不可という印です。たらいのマークにかかれている数字が水温で、アイロンのマークに書かれている数字は温度になります。

ドライクリーニング推奨

洗濯機使用不可でも手洗い可の場合には、自宅での洗濯で生地が傷む心配は少ないです。水洗い可とは、洗濯板などでゴシゴシとこするのではなく、押し洗い、揉み洗い、付け置きなど極力生地に負荷がかかりにくい方法で汚れを落とすことです。

水洗いも不可となっているものは、水や摩擦に弱いデリケートなセーターなので、メーカーはドライクリーニングを推奨しています。

装飾品に注意

また一般的なウールのセーターで高級素材でもないのに、洗濯機不可、水洗いも不可となっているものは、凝った装飾が施されいることが多いです。ビーズ刺繍、スパンコール、飾りボタンなどがあるデザインは、必ずタグを確認しましょう。

セーターの洗い方。洗濯機に必要な設定ある?

セーターを自宅で洗う方法には、洗濯機と手洗いがあります。タグの表示にもよりますが、たいていは手洗いを推奨しています。ウール系の素材はデリケートで縮みやすい特徴があるためです。

手洗い洗濯のやり方

大きめの洗面器や洗い桶に、水かぬるま湯と洗剤を入れてしばらくつけ置きをしてから、優しく押しながら汚れを洗剤液に含ませます。洗剤は普段づかいの物ではなく、おしゃれ着洗いやデリケート素材用などの中性タイプを用います。

水洗い不可となっているセーターでも汚れが気になる場合には、優しく手洗いをすれば縮まずに洗えます。

大切なのはすすぎを十分にすることです。1度のすすぎでは繊維に浸透した洗剤をしっかりと落とすことは出ません。すすぎの水を替えながら数回繰り返しましょう。

すすぎが不十分で洗剤がセーターに残っているとシミの原因になります。特に色の薄いセーターはシミが目立ちやすいので、手間はかかりますが丁寧に行うことが大切です。

洗濯機で洗う方法

洗濯機の使用が可能なセーターを洗うときのポイントは、1枚ずつネットに入れることです。さらに他の洗濯物とは分けて洗うのがベターです。

セーターを洗う場合には、毛玉や縮みを予防しふんわりと仕上げるためにも、デリケート洗いといった回転が優しい設定が推奨されます。

洗濯方法がドライとなっているセーターでも、洗濯機の設定にドライコースがあれば洗うことは可能です。ゆっくりと優しく洗う設定にすることで素材へのダメージが防げます。

洗剤を正しく使おう

洗剤の選択にも注意が必要です。洗濯機可の物には、手洗いの時と同様におしゃれ着洗い用の中性タイプを使用します。ドライオンリーのものを洗う場合には中性タイプでも大丈夫ですが、ドライマーク専用の洗剤を使用するとさらに安心です。

最近は洗剤だけでもふんわり感が得られるように進化していますが、さらにふんわり感の維持のために、最後に柔軟剤の利用もありです。

脱水の時間は短めに

洗濯機の設定が正しければ、脱水の時間はとても短くなっているはずですが、念のために確認をしておきましょう。せっかく優して洗い方をしても脱水が強になっていては台無しです。

厚いセーターでも長くて1分、薄いものなら30秒ぐらいで十分です。洗濯機から出した時に水滴がポタポタしている程度にとどめます。

セーターの干し方と注意点

セーターを洗濯機で洗う場合、型崩れと素材の傷み防止のために脱水時間は短くするので、洗いあがりは水分がポタポタと落ちる状態です。

洗濯機から出した後は、もうひと手間かけてタオルドライをします。タオルに挟んで水分を吸収させる方法です。1回か2回タオルを取り換えてタオルが湿るくらいまで行ってから干すと乾きやすいです。

平干しが一番いい

ベストの干し方は平干しです。平らに広げて干せば形が崩れる心配はありません。板の間などに平らに置いて干すと、板に密着している面の空気の流れが悪いので乾きにくいですし、逆に蒸れて嫌な臭いが残ります。

四角い枠にネットを張った平干し用のアイテムがあるので利用すると便利です。2本の物干し竿の上に、垂直に2本の棒を置いてその上に干す方法もあります。

ハンガー干しする時の注意

平らに干すのが難しければ、ハンガー干しでも構いません。できだけ厚みあるタイプを用います。肩が当たる部分が細いと、身頃や裾が広がらないのて風通しが悪く乾きにくいです。

干し方の注意点は直射日光が当たらず風通しの良い日陰に干すことです。直射日光に当てて干せば渇きは早いですが、日焼けして色落ちする可能性があります。日陰に干す場所がない場合、曇りの日を選んで干すとよいでしょう。

乾燥機は使っても大丈夫?

タンブル乾燥不可の表示がある場合、自宅での乾燥機の使用はしない方が良いです。乾燥機能を利用して乾かした場合、セーターが縮む確率が高くなります。

タンブル乾燥が可能だとしても製品によって温度の設定が異なりますので、タグの情報の確認が重要です。温度を守って乾燥させたとしても、傷みや縮みのリスクはゼロではありません。

設定が可能なら乾燥機で完全に乾かすのではなく、半乾き位にとどめておき最後の乾燥は日陰干しにした方がよいでしょう。

厚みのあるセーターの場合、1日では完全に乾かないこともあります。生乾きのままでは虫食いや悪臭の原因になるので、数日かかっても完璧に乾かしておけば、次のシーズンも心地よく着られますよ。

(関連記事:タンブラー乾燥の意味とは?間違うと服が縮む、型崩れの原因に

セーターにアイロンがけは必要なの?正しいやり方は?

セーターは洗濯方法や干し方が適していれば、ふっくらとシワなく仕上がるので、基本的にはアイロンがけの必要はありません。ただ洗濯の時に強脱水にするとシワになったり縮んだりしますし、干す時に全体をきちんと広げなかったりすると干しジワができます。

また薄手のものや綿混・麻混などの素材でできたものはシワになりやすい特徴があります。干し終えて取り込んだ時にシワが気になったら、アイロンがけをすれば気持ちよく着られます。

スチームを必ず使おう

アイロンをセーターにかける場合にはスチームを当てるのが基本です。アイロンが触れないようにするのがポイントです。直接アイロンが製品に触れない方法なので、アイロン不可となっている製品のシワ伸ばしにも利用できます。

セーターを平らな場所で広げて、アイロンを少し浮かせてシワが気になる部分にスチームのみが当たるようにします。スチームが当たった部分は熱がこもっているので、しばらくおいて完全に冷えてから畳みます。

平置きで作業するスペースがない場合には、ハンガーにかけた状態でも伸ばすことは可能です。スチームは高温にするほど早く伸びますが、製品によって温度の上限を指定している場合があるので、タグで確認をしましょう。

霧吹きも用意しておこう

またアイロンが使用できる製品もあります。その場合にはスチームてはなく、霧吹きで少し湿らせて当て布を使用し、低温でかけるのが基本です。

アイロンを強く押し当ててしまうと、ふんわり感が損なわれてしまいます。プレスをしてシワを伸ばすのではなく、セーターの上をそっと滑らして、熱で優しく伸ばすように心がけると着心地の良さを維持できます。

セーターの保管の仕方

シーズン終わりに洗濯をしてシワもなくふっくらと仕上がったセーターを、次のシーズンまでよい状態のまま保管するにはちょっとしたコツがあります。セーターはデザインによって厚さが異なるので、それぞに合った保管の仕方をする必要があります。

ベストなたたみ方

たたみ方ですが、あまり小さくしないほうが良いです。折る回数が多くなるほどシワができやすいですし、小さく畳んでしまうと、素材が伸びて型が崩れる原因にもなります。

できるだけざっくりと畳んでしまうと、翌シーズンに取り出した時にそのまま着られます。またビーズやボタンなどの装飾は内側なるように畳むのがポイントです。

衣装ケースにはゆとりを持って

大きく畳んだセーターを保管するには一般的には衣装ケースが利用されますが、ゆとりをもって収納することが大切です。ふたが閉まらないほど詰め込まないようにしましょう。

薄手のセーターは大きく畳んでもシワになりやすいので、タオルなどを芯にして丸めてしまう方法もあります。

圧縮パックも便利

逆に厚手の物は、大きく畳んでもケースにたくさん収納できないので、圧縮パックを利用すると保管枚数を増やせます。圧縮パックにしまう場合には、セーターを大きく畳んだ状態で入る大きさを選び、できるだけ平らにシワができないように空気を抜きます。

ハンガーを使う時の注意

衣装ケースではなくハンガーにかけてクローゼットの保管すると簡単ですが、セーターの場合は型崩れの原因になります。どうしてもハンガーを利用したい場合には、ニット用のハンガーを用いるか肩が当たる部分にタオルを巻くなどすれば良い状態で保管は可能です。

ただニット素材のスーツやコートなど丈が長くなるほど肩にかかる負荷が大きくなるので、伸びやすいというリスクがあります。

防虫剤は忘れずに

セーターを保管する時に忘れてはならないのが防虫剤です。きれいに洗ったし、しっかり乾かしたとしても安心できません。

防虫剤は衣装ケースの上部に入れますが、ケースの大きさによって必要な個数が異なるので、箱書きの説明に従って量は調整してください。この時ケースのふたがきちんとしまっていないと、効果が半減するので注意しましょう。