不快な洗濯物の生乾きの臭いの取り方を徹底解説!

これまで洗濯物の悩みと言えば、汗や皮脂汚れによる黄ばみや泥汚れ、食べ物や飲み物によるシミなどが一般的でした。

しかし洗濯への意識の多様化やライフスタイルの変化などによって、洗濯の習慣が“汚れたら”ではなく“着たら”へと移り変わり、今では洗濯物が白く洗い上がることはごく普通のこととなりました。

ところが衣類から目に見える汚れが減ったことで、今度は洗濯物から発せられる不快な生乾きの臭いを気にする方が増えており、衣類の消臭・除菌へのニーズが高まりつつあります。

特に毎日洗濯を行っている主婦や一人暮らしの学生、社会人の多くが「雑巾臭い」「カビ臭い」など独特な臭いを放つ生乾きの臭いに対するお悩みを抱えています。

そこで今回は、不快な洗濯物の生乾きの臭いを解消するための取り方を徹底解説していきます。

生乾きの臭いは何が原因?

 

毎日洗濯をしている主婦や一人暮らしの学生、社会人の方々の悩みのタネとなっている生乾きの臭い。実は普段私たちが何気なく行っている行動に原因がありました。

洗濯までに時間が掛かり過ぎている

洗濯物を洗う前、皆さんは洗濯物をどこに保管していますか。

もし洗濯機の中に入れて放置しているという方は要注意です。洗濯機の中に汚れた洗濯物を長時間入れっぱなしにしてしまうと、カビや雑菌が繁殖する原因となります。

また『我が家は汚れたタオルや洗濯物を入れる専用の洗濯カゴがあるから安心』と思っている方も要注意です。濡れたタオルや洗濯物を乾いた洗濯物と一緒に長時間洗濯カゴに入れっぱなしにしておくと、湿った状態が長く続くため雑菌の繁殖を促す原因となります。

もし洗濯するまでに時間があるという場合は、ハンガーなどに濡れたタオルや洗濯物を掛けて干しておきましょう。こうすることで濡れたタオルや洗濯物に付着したカビや雑菌の繁殖を抑えることができます。

洗剤や柔軟剤の量が多すぎる

洗濯物をキレイに洗いたいという一心で、つい洗剤や柔軟剤の量をラベルに記載されている量よりも多く入れてしまう方は要注意です。

よく『洗剤を多く入れたら汚れがよく落ちる』と思っている方もいますがこれは間違いです。
洗剤を入れ過ぎてしまうと、どれだけすすいでもタオルや衣類に洗剤が付着したまま残ってしまいます。

その結果、洗剤や柔軟剤を入れ過ぎた場合に

・色落ちや生地の傷みを早める
・汚れ落ちが悪くなる
・洗濯槽にカビや雑菌が発生しやすくなり、
・洗濯物の寿命が縮まる
・肌トラブルを引き起こしやすくなる
・環境汚染に繋がる
・洗濯物の臭いがきつくなる
・洗濯物がベタベタする
・吸水性の悪化
・黒ずみ汚れの原因となる
・肌トラブルを引き起こしやすくなる

などを引き起こし、生乾きの臭いを発生させる原因となるカビや雑菌の繁殖を促すことになります。

お風呂の残り湯で「すすぎ」を行っている

お風呂の残り湯を使って洗濯をすることはお財布にも環境にも優しいことですが、1つ注意しなければならないことがあります。それはお風呂の残り湯を使って洗濯する場合は、必ず“洗い”でとめておくということです。

湯船に浸かる前に頭と体をキレイに洗っているのだから、すすぎまで使っても良いのではないかと思っている方も多いと思いますが、いくら頭と体をキレイに洗ったとはいえ、湯船には雑菌がたっぷり含まれています。

そのためすすぎの際にお風呂の残り湯を使ってしまうと、せっかくキレイに洗ったタオルや洗濯物に雑菌が付着してしまい、不快な生乾きの臭いの原因となります。

お風呂の残り湯は洗いだけにとめ、すすぎを行う際はキレイな水道水を使うようにしましょう。

洗濯してから干すまでに時間が掛かり過ぎている

洗濯中に食事の準備や掃除、ゴミ出しなどの家事を済ませてしまおうとお考えの方も多いと思います。スムーズに家事をこなすためには、このような工夫はとても大切なことではありますが、他のことをしている時は周りが見えていないことが多いため、洗濯完了の音が聞こえず、洗った洗濯物を洗濯機の中で長時間放置してしまうことも多々あります。

洗ったばかりの洗濯物は水分をたっぷり含んでいるため、カビや雑菌の繁殖を促す原因となることは既に皆さんもご存知のことと思います。なんとカビや雑菌の繁殖は洗濯槽の見えない内側部分でも繁殖をすることができますので、洗濯物と洗濯槽から生乾きのイヤな臭いがするようになってしまいます。

洗い終わった洗濯物は、すぐに洗濯機から取り出して干してしまうのがオススメです。

洗濯物が乾くまでに時間が掛かり過ぎている

梅雨の季節や気温が低く乾燥した冬の時期は、どうしても洗濯物が乾きにくくなります。

洗濯物を乾かすのに時間がかかってしまうと、雑菌が発生しやすくなり、あの不快な生乾きの臭いが発生しやすくなってしまいます。扇風機やサーキュレーター、除湿機などを活用して、速やかに洗濯物を乾かしましょう。

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しつこい生乾きの臭いは「モラクセラ菌」によるもの!

私たちが普段の日常生活で何気なくやっていた行動が原因で生じていた生乾きの臭いは、1度ついたら最後。洗濯を何度やり直しても、洗剤や柔軟剤を替えても取り除くことができません。

その理由は「モラクセラ菌」という名の菌が深く関係しています。

モラクセラ菌とは、日常の生活空間の至るところに存在する常在菌の1種であり、ヒトや動物の身体のなかにも常駐しています。

普段はあまり悪さをしない菌ではありますが、洗濯物が乾くまでに時間がかかってしまうと、空気中を漂っているモラクセラ菌が洗濯物に付着し、繊維の奥深くに入り込んで落としきることが出来なかった皮脂汚れやたんぱく質などを栄養分として増殖を始め、4-メチル-3ヘキセン酸(4M3H)を発生させることで、あの不快な生乾きの臭いを発生させています。

モラクセラ菌は、大腸菌や黄色ブドウ球菌などの菌類と比べ、紫外線耐性と乾燥耐性がとても高いため、太陽から降り注ぐ紫外線が持つ殺菌作用では退治することができません。

またいくら洗剤や柔軟剤で除菌をしたとしても、モラクセラ菌は日常の生活空間の至るところに存在するため、再び洗濯物に付着して増殖を始めてしまいますので、洗濯物から完全にモラクセラ菌を死滅させることは事実上不可能ということになります。

誰でも簡単にできる生乾きの臭いの取り方とは?

モラクセラ菌は紫外線耐性と乾燥耐性がとても高いため一見弱点が無さそうに見えますが、実は「熱に弱い」という性質を持っています。

そこで誰でも簡単にモラクセラ菌が原因で生じている生乾きの臭いの取り方を3つご紹介します。

煮洗い

煮洗いとは、洗濯物を鍋で煮て洗うことです。モラクセラ菌は、60℃以上を超える環境では増殖することができません。そこで鍋に水を入れて煮立たせ、そこに臭いを発している洗濯物を入れることで、モラクセラ菌を退治することができます。

また洗濯物に熱を加えることで、汚れが柔らかくなり洗剤の洗浄能力を高めることができますので、消臭・除菌だけではなく洗濯機よりも白く洗い上げることもできます。

煮洗いの方法

[必要なもの]
・ステンレス鍋またはホーロー鍋
・粉末タイプの洗濯洗剤
・酸素系漂白剤
・菜箸またはトング
・バケツまたは洗面器

[手順]
①洗濯物がスッポリと収まる鍋を用意し、7から8分目くらいまで水を注ぎます。
②鍋を火にかけ、40℃から50℃ほどのぬるま湯になったら、洗濯洗剤を入れて溶かします。
③水量に応じた分量の酸素系漂白剤を②に加え、弱火で10分ほど煮ます。
④10分後、火を止めてお湯が冷めるまでそのまま放置します。
⑤菜箸を使い洗濯物をバケツへと移したら、キレイな水でしっかりと揉み洗いします。
⑥揉み洗い後、洗濯機の通常コースで洗濯物を洗ったら完了です。

[注意点]
・酸素系漂白剤を入れたら、定期的にグルグルと洗濯物をかき混ぜてください。
・洗濯物を弱火で煮ている間は吹きこぼれないように注意しましょう。
・汚れが気にならない場合、洗濯洗剤を入れなくても問題ありません。
・酸素系漂白剤を加えるとボコボコ泡立ちますが、この泡は酸素ですので危険はありません。
・粉末タイプの洗濯洗剤が無い場合、代用品として重曹もしくは粉石鹸を使うのがオススメです。ただし洗濯洗剤と比べて洗浄力が弱いので、頑固な汚れが見られる場合は洗濯洗剤を使用した方が良いでしょう。

煮洗いは洗浄能力が高い反面、繊維が傷みやすく色落ちしやすいというデメリットがありますので、この方法を試す前に必ず熱に強い素材かどうかを確認してから行うようにしてください。

コインランドリーの乾燥機

もっと簡単に生乾きの臭いの取り方をお探しの方は、乾燥機を活用するのがオススメです。ただし家庭用の乾燥機ではなく、コインランドリーの乾燥機を使うことがポイントとなります。

家庭用の乾燥機はコインランドリーの乾燥機と比べて温度が低く、モラクセラ菌を退治するのに必要な温度60℃まで上がらず、生乾きの臭いを取り除くことができません。

しかしコインランドリーの乾燥機は、平均80℃~120℃の高温で洗濯物を乾かすことができる非常にパワフルな乾燥機ですので、モラクセラ菌を退治することができます。

もしコインランドリーが近くに無い方は、洗濯物が湿った状態の時にスチームアイロンをかけると良いでしょう。

アイロンのメーカーや種類にもよりますが、基本的に温度を「中」に設定することでアイロンの表面を150℃以上にすることができます。脱水直後の洗濯物にアイロン掛けを行うことで、熱に弱いモラクセラ菌は死滅していきます。

ただし蒸気を出して洗濯物がほぼ乾いた状態になるまでアイロン掛けをする必要がありますので、スチームアイロンで生乾きの臭いを取り除く際は、時間のある時に行うようにしましょう。

煮沸消毒

洗濯物へのダメージが気になる方やコインランドリーが近くに無くて困っている方は、煮沸消毒を行ってみてはいかがでしょうか。

煮沸消毒とは、皆さんもご存知のとおり洗面器やタライに生乾きの臭いを発している洗濯物を入れ、60℃以上に温めたお湯を注ぎ、1時間から2時間ほど漬け置く殺菌方法のことです。

基本的には梅干しや果実酒、ジャムなどの保存食を長期保管するために行う保存容器の煮沸消毒と同じですので、詳しい手順は省かせて頂きますが、この方法ならば特別な道具が無くても気軽に行うことができますので、煮洗いやコインランドリーへ行く前にこの方法を試されることをオススメします。

もし一般的な煮沸消毒では臭いが残っている場合は、漂白力が高く、除菌・殺菌力の高いアルカリ性の酸素系漂白剤を加えると不快な臭いを取り去ることができます。

ただし酸素系漂白剤を使用する際は、お湯3リットルに対し酸素系漂白剤大さじ2杯を目安に使用しましょう。

また漬け置きする時間は最長で1時間とし、その間お湯が冷めないように途中でお湯を足したり蓋を被せて温度を保つようにしてください。

※なお酸素系漂白剤は塩素系漂白剤と違い、色柄物にも使用することは可能ですが、酸化型漂白剤に分類される粉末タイプの酸素系漂白剤を使用する際は、水洗い不可の衣類・毛・絹・金属製のボタンやファスナーが付いている衣服には使用することができないなど、漂白剤の種類によって使用することができない衣類もあります。使用する前に必ず漂白剤の成分と衣類の素材を確認してから使用するようにしてください。

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市販の消臭スプレーでごまかす

とにかく時間が無い方は、ドラッグストアやホームセンターなどで購入することができる市販の消臭スプレーを使って生乾きの臭いを消し去りましょう。

ただし消臭スプレーは即効性のある消臭効果によって一時的に生乾きの臭いを消し去ることはできますが、除菌・殺菌作用はありませんので、数時間経つと再び不快な臭いが蘇ってきます。お家へ帰ったら、必ずきちんとした臭い対策を行うようにしましょう。

スチームアイロンを掛ける

時間に少し余裕がある方は、スチームアイロンをかけてモラクセラ菌を退治しましょう。

既にご紹介したとおり、スチームアイロンの表面は温度設定を「中」以上にすることで150℃以上に温められます。モラクセラ菌は60℃以上の温度になると増殖ができなくなりますので、スチームアイロンを掛けることで臭いの原因となっているモラクセラ菌を退治することができます。

ただし退治しただけでは生乾きの臭いが残っている場合がありますので、仕上げに市販の消臭スプレーをまんべんなく吹き付けておくと、外出中は生乾きの臭いが気にならなくなります。

まとめ

不快な洗濯物の生乾きの臭いの取り方をご紹介させて頂きましたがいかがでしたか。

生乾きの臭いの原因が、まさか普段何気なく取っていた私たちの行動にあったことを初めて知ったという方も多いのではないでしょうか。生乾きの臭いの原因と正しい臭いの取り方を知っておくことで、いざという時にとても役立ちます。

もし洗濯したタオルや衣類の中に生乾きの臭いを放っているものがありましたら、ぜひお試しください。

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