洗濯物を干し忘れた時はどうする?洗い直しすべき放置時間は?

『朝、洗濯機を回していたのを忘れてしまい、終わってもそのまま開けずに放置してしまった』
『洗濯中にゴミ出しや掃除などの家事をこなしていたら、洗濯終了の音を聞き逃して干し忘れてしまった』
『洗濯機から洗濯物を取り出した時に靴下やハンカチなどの小物類を落として干し忘れてしまうことがある』

このような洗濯物を干し忘れてしまったという経験は、洗濯をしたことがある方なら1度は経験したことのある失敗談かと思いますが、こうした洗濯物を干し忘れてしまった時、皆さんはどのような対処を行っていますか。

『私は気にせず干してしまう』
『必ず洗い直す』

など人によって干し忘れた時の対処法はさまざまですが、洗濯機に洗濯物を長時間放置してしまった方の多くが、

『洗濯物から部屋干しした時のような嫌な臭いがする』
『洗濯機と洗濯物から生乾きの臭いがする』

などといったクチコミをよく見かけます。

なぜ洗濯機に洗濯物を長時間放置してしまっただけで、洗濯機や洗濯物から部屋干しの嫌な臭いがするようになるのでしょうか。

そこで今回は、洗濯物を干し忘れてしまった時の対処法や洗い直しをするべき放置時間について徹底解説します。

洗濯物を干し忘れた時に臭う原因とは?

洗濯物を干し忘れてしまった時、
『生乾きの不快な臭いがした』
『洗濯機と洗濯物から雑巾の嫌な臭いがした』
など、大半の方々が臭いを気にしています。

洗濯に対する今と昔の価値観の違い

ここ数年日本国内では、衛生意識の高まりと共に家庭における洗濯を取り巻く環境が少しずつ変化しており、衣類に付着した汚れを落とすだけではなく、雑菌やニオイまでスッキリと落としたいという方が急増しています。

特にジメッとした梅雨の時期や空気が乾燥していて気温の低い冬場は、洗濯物を部屋干しで乾かす機会が増えるため、部屋干しで洗濯物を乾かした時に生じる「生乾きのニオイ」が気になります。

そんな「生乾きのニオイ」をを解消するために、消臭効果の高い洗濯洗剤や柔軟剤を利用する方々もたくさんいます。

生乾きの匂いの原因は

なぜ室内干しにした洗濯物と洗濯機の中で長時間放置された洗濯物から、同じ生乾きのニオイがするのかと不思議に思った方もいるのではないでしょうか。

実はキレイに洗濯したと思っていた洗濯物ですが、洗濯機では繊維の奥まで染み込んでしまった汗や皮脂汚れなどをスッキリと洗い落とすことができません。

そのため皮脂汚れやたんぱく質汚れを好物とする雑菌にとって洗いたての洗濯物は増殖するのに理想の環境となります。

なかでも特に注意しなければならないのが「モラクセラ菌」です。

モラクセラ菌

モラクセラ菌とは、日常生活のあらゆる環境や空間に存在する常在菌の一種であり、人間や動物の口腔・上気道・性器などの粘膜に存在しています。たびたび成人の市中肺炎(院外肺炎)の起炎菌として検出されることがあります。

基本的には人畜無害な常在菌ですので特に心配することはありませんが、体力や免疫力が低下している時や免疫力の低い乳幼児や高齢者、持病のお持ちの方は、日和見感染を引き起こす場合がありますので注意が必要です。

なぜモラクセラ菌に注意しなければならないのかと言いますと、2011年に花王と愛知学院大学の河村好章教授によって、洗濯物を部屋干しした時や洗濯機に長時間放置した時に感じる生乾きや雑巾のような不快な臭いを発生させる原因菌だということが解明されたからです。

モラクセラ菌は、洗いたてのキレイな洗濯物に洗い落とすことができなかったわずかな皮脂汚れやたんぱく質汚れを分解し、雑巾臭のもととなる物質「4-メチル-3-ヘキセン酸(4-Methyl-3-hexenoicacid:4M3H)」を発生させます。

4N3Hを発生させないためには、モラクセラ菌を洗濯物に付着させなければ良いのですが、いくら除菌・抗菌効果の高い洗濯洗剤や柔軟剤を使って洗濯したとしても、モラクセラ菌は自然界に存在する常在菌であるため、付着と増殖を防ぐことは非常に困難を極めます。

モラクセラ菌だけじゃない!洗濯物が臭う原因とは?

部屋干しによる生乾きのニオイ、洗濯していたことを忘れて洗濯槽に長時間放置してしまった洗濯物から臭う雑巾のようなニオイを解消するためには、モラクセラ菌の増殖を防ぐことがポイントです。

しかし洗濯物が臭う原因はモラクセラ菌だけではありません。

洗濯が終わった衣類やタオルは水分を含んで濡れています。濡れて湿度の高い状態の衣類やタオルは、カビや雑菌が増殖するのに最適な環境となります。

洗濯が終わっても干さずに洗濯機や洗濯カゴの中で長時間放置してしまうと、モラクセラ菌と共にカビやその他の雑菌たちも増殖をはじめ、よりひどい悪臭を放つ原因となります。

・他にも汗で湿った洗濯物をすぐに洗わずに溜め込んでいる
・節約のために「洗い」から「すすぎ」まで一貫してお風呂の残り湯を使っている
・洗濯機の掃除を1度もしていない、または定期的に掃除をしていない

などが原因で、キレイに洗った洗濯物から生乾きの嫌な臭いが発せられている可能性も考えられます。

干し忘れた洗濯物から臭いを消し去る洗い直し方法とは?

洗濯物を干し忘れた時、大半の方が臭いや菌の繁殖が心配で洗い直しをしています。しかし干し忘れた洗濯物から発せられる不快な臭い物質を作り出しているモラクセラ菌は、1度増殖してしまうと簡単には死滅させることができません

どうしてにおいが消えないの?

非常に高い紫外線耐性や乾燥耐性を誇るモラクセラ菌は、自然界に存在する常在菌の1種です。

そのため1度モラクセラ菌が洗濯物で増殖を始めてしまうと、除菌・抗菌効果の高い洗濯洗剤や柔軟剤を使って洗濯をやり直しても、洗濯直後は臭いませんが、乾くと再び雑巾のような嫌な臭いを発するようになります。

さらにモラクセラ菌だけではなく、洗濯物を洗濯機内に入れっぱなしにしていたことで、目に見えない洗濯槽の内側でもカビや雑菌が増殖し、次回から洗濯する度に洗濯物から嫌な臭いがするようになってしまいます。

そんなにおいを消すことが可能?

干し忘れた洗濯物を洗濯機の中で放置してしまった場合、洗い直す際にちょっとした工夫を行うことで洗濯物から臭いを消し去ることができます。

では洗濯物を干し忘れた時の正しい洗い直しの方法を2つご紹介します。

洗い直し方法その1「煮洗い」

[必要なもの]
・ステンレス製またはホーロー製の大きめの鍋
・酸素系漂白剤
・弱アルカリ性の洗剤(重曹や粉石鹸など)
・トングまたは菜箸

[手順]
①鍋に水をたっぷり入れます。
②鍋を火にかけ、40℃前後のぬるま湯になったら重曹(粉石鹸)を加えてしっかりと溶かします。
③煮立ったら、水量に応じた分量の酸素系漂白剤を②に加え、軽くかき混ぜたら洗濯物を入れましょう。
④弱火にして10分ほど煮込みます。
※煮込んでいる間は洗濯物を定期的にグルグルとかき混ぜるのがポイントです。
⑤火傷に注意しながら洗濯物を鍋から取り出し、冷めるのを待ちます。
⑥洗剤が落ちるまでしっかりとすすいでください。
⑦洗濯絵表示の指示に従い、風通しの良い場所でしっかりと乾かしたら完了です。

[ワンポイント]
・酸素系漂白剤は遠心力反応が高まることで泡をボコボコと発生させます。この泡は人体に影響のない酸素の泡ですのでご安心ください。
・煮洗い専用の鍋を用意するのがオススメですが、手元に普段調理に使用する鍋しかない場合、口に入っても心配の無い自然由来の食用重曹や粉石鹸を洗剤代わりに使用しましょう。使用量は水1リットルに対し、重曹大さじ1杯・粉石鹸小さじ2杯が目安となります。ただし、洗濯洗剤と比べて洗浄能力が劣ります。
・酸素系漂白剤の効果を最大限引き出したい場合、50℃前後のお湯で煮るのがオススメです。ただし長時間煮詰めてしまうと効果が半減してしまうのでご注意ください。
・煮洗いは綿や麻などの繊維には適していますが、ポリエステルなどの高温に弱い化学繊維やウールなどのアルカリ性に弱い繊維は不向きとなります。
・色移りしないよう、色柄物と白物は分けて洗濯しましょう。

洗い直し方法その2「浸け置き」

[必要なもの]
・酸素系漂白剤
・洗濯物がスッポリ入る大きいサイズのタライや桶など
・ぬるま湯

[手順]
①大きいサイズのタライや桶に30℃から40℃のぬるま湯を張ります。
②水量に応じた分量の酸素系漂白剤を加え、しっかり溶かします。
③洗濯物を②へ入れ、1時間ほど浸け置きます。
④洗濯物を洗濯機へと入れ、通常コースで洗濯しましょう。
⑤洗い終わったらすぐに洗濯機から取り出し、風通しの良い場所で乾かしたら完了です。

[ワンポイント]
酸素系漂白剤には様々な種類があります。

◆主成分が過酸化水素、液性が酸性
・液体タイプ。
・色柄物に適している。
・漬け置きする際は洗剤と一緒に使える。
・シミや汚れに直接付けることができる。

◆主成分が過炭酸ナトリウム、液性が弱アルカリ性
・液体タイプと比べて色落ちしやすいが漂白力が高め。
・毛(ウール)や絹(シルク)には使えない。
・2時間以上の漬け置き不可。
・洗剤無しでも漬け置き可能。
・ラベルに記載されている使用上の注意や指示に従う必要がある。

どちらもメリット・デメリットがありますので、洗濯物から臭いを取る際は、洗濯物の素材や色柄などに合わせて酸素系漂白剤を選びましょう。

モラクセラ菌による生乾きのニオイや雑巾のような不快なニオイは、活性酸素の酸化力によって臭いの原因となっている雑菌を消し去ってくれる酸素系漂白剤酸性の汚れを分解する能力に長けている弱アルカリ性の洗剤を活用することで改善することができます。

これでもにおいが消えないときは?

しかしモラクセラ菌が繊維の奥まで入り込んでしまった場合、この方法では臭いを解消することができないことがあります。ならばモラクセラ菌が増殖してしまった洗濯物は一生雑巾臭いままなのかというとそうではありません。

モラクセラ菌は、紫外線耐性と乾燥耐性は高いものの熱には弱い性質を持っています。そのため洗濯機での洗い直しが面倒な方や洗濯槽の掃除中で洗濯機が使用出来ない方は、

60℃前後のお湯に15分ほど浸け置く
・ぬるま湯に弱アルカリ性洗剤と酸素系漂白剤を同量溶かし、漬け置く。
スチームアイロンを使ってアイロンがけをする。
・乾燥機やアイロンの強力な熱で退治する。

などの方法で、干し忘れた時の洗濯物の臭いを消し去るのがオススメです。

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干すまでのタイムリミットは何分?

洗濯物を干し忘れた時、皆さんはどのくらいの時間放置したら洗い直しますか。

『いつも夜に洗濯して朝干しているから8時間以上放置しても気にならない』
『菌の繁殖や臭いが心配だから10分放置しただけでも洗い直してしまう』

など人によってそれぞれ洗濯物を放置するタイムリミットは異なりますが、大半の主婦やキレイ好きな一人暮らしの方々は、洗った洗濯物を1時間以内に干すことができなかったら洗い直すと決めているようです。

洗濯物の嫌なニオイの主な原因は

・60%から80%の高湿度
・20℃から30℃のほどよい温度
・洗濯で落としきることができなかった汚れや石鹸カスなどの栄養分

この3つが増殖を始めたカビや雑菌が作り出す物質によるものです。

特に干し忘れた時の洗濯物は、カビや雑菌が増殖するために必要な湿気と栄養分が豊富な最適な環境となりますので、洗濯終了の音が聞こえたら速やかに洗濯機から洗濯物を取り出して、干してしまうのがオススメです。

どうしても干せない時は

しかし洗濯終了後に洗濯物を干すことができない多忙な主婦や一人暮らしの学生、社会人の方も大勢いると思います。

実は洗濯物の臭いの原因であるカビや雑菌は、湿度・温度・栄養分の3つの条件が揃わなければ増殖を始めることができません

そのため、この3つのうち1つでも条件を満たすことが無ければ、洗濯物を干し忘れた時に、洗濯物から嫌なニオイや不快なニオイが発生しないということになります。

例えば
気温が高くジメッとした蒸し暑い夏場は1時間以内
気温が低く乾燥した冬場は2時間以内
ならば、カビや雑菌の増殖を抑えることができるということになります。

同じように
気温が低くなる朝や夜に洗濯した洗濯物は2時間以内
気温の高くなる日中に洗濯した場合は1時間以内
に干した方が良いことになります。

ただし、カビや雑菌による洗濯物の嫌なニオイや不快なニオイは、洗濯直後には感じなくても乾かした後に臭い始めることがあります。

その場合は前述させて頂いた煮洗い・酸素系漂白剤での漬け置き・乾燥機やスチームアイロンを活用するなどの方法で、臭いの原因菌を死滅させていきましょう。

まとめ

いかがでしたか。

洗濯物を干し忘れた時は、まず洗濯物や洗濯槽から生乾きの嫌なニオイや雑巾のような不快なニオイがするかを確認してください。

もし臭いがするのであれば、モラクセラ菌などによるカビや雑菌が増殖している可能性がありますので、酸素系漂白剤や弱アルカリ性の洗剤を使って洗い直しましょう。

洗濯物を毎回干し忘れてしまうと困っている方は、セットしたキッチンタイマーを持ち歩くことで干し忘れを防ぐことができます。

洗濯物を干し忘れた時は、ぜひこちらの方法をお試しください。

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